架空の庭 〜花の物語〜
「花」の出てくる小説や詩などを写真とともにご紹介しています。今咲いている花が中心です。
高楼方子 『時計坂の家』
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いとこのマリカから来た手紙をきっかけに、フー子は祖父母の住む汀館へ行くことになった。
ところが、マリカと遊べると思っていたのに、マリカはすぐに帰ってしまう。

がっかりしたフー子が汀館の中を歩いていると、二階への踊り場にある窓がおかしな位置についているのに気づく。
よく見ると、そこは扉だったらしい。
フー子がぼんやりと窓の向こうを見ていると、窓枠にかかった懐中時計の時を刻む音がきこえてきて……。

不思議な庭をめぐるファンタジー。

大きく開いた白い花びらの中に、さらにもうひとつ、紫がかった糸のような花びらを持つ花が開いていた。それはあたかも、秒刻みの文字盤を思わせた。その中心からは、赤と緑の針―― いや、おしべとめしべがのびている。

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時計草は不思議な形をした植物ですよね。
ファンタジーにふさわしい花だと思います。
もっとも、キリスト教圏では意味合いがかなり違うみたいです。

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カレン・クリステンセン 『レイチェルのバラ』
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レイチェルのおばあちゃんが、レイチェルのママとレイチェルへのプレゼントを持って遊びに来た。
レイチェルへのプレゼントはピンクのバラ。花びんに入れて大事にしていたのだけれど、とうとう枯れてしまう。

泣いているレイチェルを見かねたママが、おばあちゃんに電話をかけ、レイチェルはバラの苗をママに買ってもらい、育てることに。

絵はバーナデット・ワッツ。

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バラの育て方の基本もよく分かります。
バラは綺麗に咲かせようと思うと、手間がかかる花ですよね。
もちろん、そこもいいと思いますが。

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メグホソキ 『ローズとアイリス』
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ピンクが好きなローズは、あさねぼうでのろまでなまけもの。
ブルーが好きなアイリスは、はやおきでせっかちではたらきもの。
ボート乗り場でたまたま会った二人は、一緒にボートに乗ることに。

正反対の二人がその後、どうなったかというと?

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自分と性格の違う友達といると、世界が広がっていきますよね。
素敵な絵本です。

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エリス・ピーターズ 『死を呼ぶ婚礼』

セント・ジャイルズ教会付属の施療院に医薬品を補充するために外出したカドフェルは、二日後に修道院の教会で行われる婚礼の当事者たち一行に出くわすことになった。
花婿になる男ドンヴィルは、五十は少なくとも越えているようで、ずんぐりとしてたくましい感じ。 花嫁はまだ乳母の手を離れたばかりで、まだ十八そこそこだという。
両親を亡くした資産家の花嫁は、財産目的の親族のため、年上の男に嫁がされるのだった。

ところが、婚礼の前日ひとりで出かけたドンヴィルは、婚礼当日死体で発見されてしまい……。

ウオン・ド・ドンヴィルは夜の散歩の途中のどこかで、小さな青い花をいっぱいに付けた草花を摘み、それを束にして帽子に刺したのだ。草花の茎は真っ直ぐで、か弱く、細長い繊細な葉が付いている。丸一日ほども経っているのに、しおれてはいなかった。カドフェルはそれを手に取って、びっくりした。その花の親戚は数多いが、それは非常にまれな種だったからだ。(p.161)

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引用した文にその花の親戚は数多いと書いてあるように、とにかく色々な種類があるようです。文章を読んだだけでは、どの花か特定できませんでした。
青い花という時点で、日本原産の「ムラサキ」ではないとは分かりますが、原書にあたらないと無理かもしれません。

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三浦しをん 『白蛇島』(『白いへび眠る島 』)
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島を出て、本土の高校に通うことになって三年。
休みの日にもあまり足を運ぶことのなくなっていた故郷の島に悟史は久しぶりに帰ってきた。島は十三年ぶりの大祭を迎えようとしているのだ。
周りを囲む海、濃密な近所づきあい、「持念兄弟」という風習、荒垣神社の祭り……息苦しく思っていた島の暮らしにやはりなじめないものを感じる悟史に、持念兄弟の光市はいつもと変わらず接してくれる。

島での信仰を頑なに守ろうとする人々、島の風習をよく思わないものたち。それぞれの立場の違いから起こるある出来事によって、悟史と光市たちは島の秘密に近づいていくのだが……。

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何度も出てくるクチナシの花の香りが、重苦しい雰囲気を作りあげています。

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