太一がおかしな下宿屋、空栗荘で一人暮らしをするようになって数ヶ月。
人間の住む「こちら側」の世界と、妖怪たちの住む「あちら側」の世界の境界に建つこの建物で、不思議な出来事が起こるのは、いつものことだ。
今日も二階の廊下に落ち武者が立ち、市松人形が動き回る。
冬を迎えたある日、太一に実家から宅配便が届く。送り主は父の再婚相手である阿川鈴子。中に入っていた手作りのクッキーは、固すぎのうえに甘すぎて、明らかに失敗作だった。ところが、料理の得意な空栗荘の住人からそのクッキーを「悪くない」と言われ、太一は混乱してしまう。
また、冬休み実家に帰らないと言った太一に、年の近いレンが帰ったほうがいいと言ったことで、喧嘩をしてしまい……。
そこにはまるで、季節がないみたいだった。
足下にはレンゲにタンポポ、冬枯れたはずの草むらに新しい緑が萌えて、家の周辺には赤紫のホタルブクロや黄色の菜の花が揺れている。
さらに視線を移せば、日だまりには深紅とピンクの秋桜。野菊。オシロイバナ。
樹木も見事だ。桜がぽつぽつと薄紅の花を灯し、その傍らには山吹の黄金とユキヤナギの白。傾いた軒から、小ぶりとはいえ藤が紫の房を幾つも垂らしていた。 (p.189)
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帰り花の咲き誇る場所に私も行ってみたいです。
雪女のように冬に住む生き物ならなおさら見てみたいと思ったでしょうね。
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なかなか子どもが生まれないで哀しんでいたおきさきを、空の小鳥たちが、ひとりのおばあさんのところへ連れて行ってくれた。そのおばあさんはいろいろな魔法を知っていて、おきさきに王女を授かる方法を教えてくれる。
ところが、おばあさんは、王女が勉強を始められる年頃になったら、私にあずけてくださいとお願いするのだが、おきさきはあっさりと断ってしまい、おばあさんにうらまれてしまう。
おきさきはおばあさんが助言したとおりにしたのだが、生まれたのは王女でなく、まっかなバラで……。
さて、おきさきはお城にかえると、おばあさんのさしずどおりにしました。ところが、生まれたのは、王女ではなくて、美しいまっかなバラの花でした。バラの花はチョウチョウのように、ひらひらと、あけはなったまどからとびだすと、バラの枝にくっつきました。(p.75)
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ジプシーのむかしばなしを集めた『太陽の木の枝』という本からご紹介しています。
ちょうのようにひらひらと飛んでいくとうことは、オールドローズのようなバラなのでしょうか。写真のバラが飛んだとしたら、少々不気味です(笑)。
⇒太陽の木の枝―ジプシーのむかしばなし (福音館文庫)(Amazonへ)
『ブリジンガメンの魔法の宝石』の続編。
オールダリーのモソック夫妻の家にあずけられているコリンとスーザンは、魔法使いのキャデリンと共に魔女のモリガンの力を粉砕したはすだったが、モリガンが生き延びていたことを知る。
彼らは再び魔法の世界に巻き込まれてしまい……。
その木は気まぐれな木なのです--古い、まっすぐな小道が通っ ている丘の上でしか育たないし、花は満月の晩以外は咲かないのです。(p.82)
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気まぐれな木がとても印象的でした。
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