
村の旧家に生まれた僕は小学校を卒業したばかりの十五歳、親類の民子は十七歳だった。
兄弟のように母親に可愛がられた二人だが、周囲の人間がもう子どもではないと母親に告げ、母親も僕と民子にあまり会わないようにと言う。
そのときから、民子の様子も変わり、僕の民子への気持ちも変化していった。
しかし、二人の仲に疑いを持つ人々によって、僕は早々に別の場所にある学校にやられて……。
「まア政夫さんは何をしていたの。私びッくりして……まア綺麗な野菊、政夫さん、私に半分おくれッたら、私ほんとうに野菊が好き」
「僕はもとから野菊がだい好き。民さんも野菊が好き……」
「私なんでも野菊の生れ返りよ。野菊の花を見ると身振いの出るほど好もしいの。どうしてこんなかと、自分でも思う位」
「民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」
+ + +
小説の設定は秋頃になっているので、かなり時期はずれですが、まだ私の家の近辺では菊が咲いているため、ご容赦くださいませ。
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